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COLUMN / 仕事の順番

「急ぎ」が重なったとき、誰が順番を決めるのか。

先に進める仕事を決めることは、
別の仕事を待たせることでもあります。

TEC2BEAR | 士業の仕事を、問い直す
公開

「急ぎでお願いします」。短く伝わる、便利な言葉です。ただ、その依頼を受け取る人の手元にも、すでに急ぎの仕事があるかもしれません。

依頼する側から見えるのは、自分の案件の締切。受ける側には、別の担当者からの依頼も並んでいる。どれも急ぎと言われたとき、その人は作業だけでなく、仕事の順番まで引き受けることになります。その判断に必要な事情も、一緒に渡せているでしょうか。

01 早く返すと、何が進むか

説明のため、架空の場面を考えてみます。事務所内で、顧問先へ送る案内資料の修正を頼まれた職員がいます。「急ぎで」と言われましたが、顧問先との打ち合わせで使うのか、依頼した人が早めに手元へ置きたいのかは分かりません。

どちらにも理由はあるでしょう。早めに確認の時間を確保したい気持ちも、もっともです。ただ、ほかの案件と順番を比べるには、その理由の違いが必要です。自分の不安を早く解消したいという事情と、相手の次の作業が止まっているという事情は、同じではありません。

「いつまで」と「その後」を渡す

依頼の事情をそろえる

期限

いつまでに必要か

次の用途

その後、誰が何に使うか

影響

待たせたら何が止まるか

急ぎという言葉が指す状況を共有します。

「いつまでに」に加えて、「その後、誰が何に使うか」が分かれば、待たせた場合の影響を具体的に話せます。急ぎという言葉を禁止するより、その言葉が指している状況を共有したいと思います。

02 割り込む仕事には、待つ仕事がある

新しい依頼を先にすると、途中の仕事はいったん止まります。依頼者には小さな修正でも、受け手には、いま進めている仕事との入れ替えです。

筆者の仮説は、すべてに「急ぎ」を付けると、優先順位の判断が、事情を十分に知らない受け手へ集まってしまうことがある、というものです。早く頼んだ人や強く頼んだ人の仕事が先になるなら、事務所として大切にしたい順番と合っているか、立ち止まって考えたいところです。

先に進めると、待つ仕事がある

新しい依頼を先に

資料 ────────→ 先へ

いまの仕事が待つ

資料 ───┊ 待つ

誰と順番をそろえるか

担当者だけで決められない場合は、責任者へ戻します。

受け手が「別の案件も今日中です」と伝えたとき、それを断り文句と受け取らず、順番を決めるための情報として扱う。担当者だけで決められない場合は、案件全体を見て調整できる責任者に戻せるようにしておく。その余地が必要だと考えます。

これを先にするなら、
何を待たせるのか。
その判断を、誰と揃えるのか。

これを先にするなら、
何を待たせるのか。
その判断を、
誰と揃えるのか。

03 締切を変える前に、事情を揃える

ここでいう順番の相談は、法令上の期限や顧問先との約束を、職員の判断で動かすという意味ではありません。守るべき期限と必要な確認は前提に置き、両立が難しければ責任者へ早めに相談します。

事情をそろえ、順番を相談する

守る前提:法令上の期限・顧問先との約束

事情を共有して、順番を相談

収まらなければ、担当・範囲も調整

職員の判断で、守るべき期限や約束を動かすという意味ではありません。

先ほどの資料修正なら、「この後の打ち合わせに使うので、それまでに必要です。いまの作業と重なるなら、どちらを先にするか確認しましょう」と伝えられます。理由が分かっても、仕事が収まらないことはあるでしょう。そのときは、順番だけでなく、担当や対応範囲の調整も必要になります。

次に「急ぎで」と送る前に、その仕事が遅れたら、誰の何が止まるのかを一緒に伝える。そして、先に進めるために何を待たせるのかも確かめる。急ぎの仕事を渡す側にも、順番を決める役割が残っているのではないでしょうか。

この記事について
特定の事務所の実話ではなく、仕事の進め方を考えるためのコラムです。

御所では、どんな確認が
繰り返されていますか。

今ある記録から、整理の入口を一緒に考えます。

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